産後クライシスとは何なのか
2012年9月にNHKの番組が取り上げて名付けたのが産後クライシスです。
これは、夫婦の愛情が産後2年以内に急速に冷え込む、という現象のことを言います。
夫婦の愛情と言いつつも、旦那さんより奥さんの方が相手に不満を持つことで起こる、と言われています。
厚生労働省が母子家庭を対象に行った調査では、母子家庭になった時の子供の年齢が0歳から2歳の間であったことが最も多く、全体の約3分の1を占めていたということです。
この調査結果だけで決めつけることは出来ませんが、産後クライシスにより離婚に発展してしまった夫婦が多い、と考える理由としては十分でしょう。
産後クライシスの原因
妊娠している女性の約7割は、夫に対して愛情を感じています。
ですが、出産して数年後には、夫に対して愛情を感じているという女性の数は、約3割にまで減ってしまうというデータがあります。
これが産後クライシスの大きな原因の1つなのですが、ほんの数年でそんなにも愛情を感じなくなるのは、一体どうしてなのでしょうか。
多いのが夫が育児にあまり参加しない、というものです。
特に、父親の自覚がない夫は暇な時間ができたとしても、子供と触れ合うことよりも自分の趣味を楽しむためにその時間を使おうとする傾向があるのです。
自覚のない夫の中には、ほんの少しの時間子供と遊んだだけなのに、自分をイクメンと言う人もいて、育児に参加する責任があるという自覚のない夫の姿を見ているうちに、どんどん嫌気が差してきて愛情が薄れていく女性も多いのです。
もちろん、男性側にだけ理由があるとは限りません。
女性側にも理由があります。
産後の女性はホルモンバランスが崩れ、心身共にとてもデリケートです。
第一子が生まれたばかりの時は、育児の何もかもが初めてのことだらけです。
初めてということは分からないことだらけでもあります。
誰かに聞いたとしても、聞いたことが必ず自分の場合にも当てはまり、役に立つとは限りません。
その上、自分の食事もままならないというのに、家事は溜まっていくばかりです。
そんな状況では、常に疲れていてイライラしていたとしても当然でしょう。
このことから、夫が育児に協力的であっても、産後クライシスに陥ることもあります。
産後クライシスを防ぐには
放置すると離婚に発展しやすく、非常に厄介な産後クライシスを防ぐために気をつけたいポイントがいくつかあります。
まず、コミュニケーションが不足しないように努めるということです。
しっかりコミュニケーションを取り、双方が歩み寄るようにしましょう。
そして、旦那さんに直して欲しい点、イライラの原因を具体的に書き出して、旦那さんにお願いできることはお願いします。
旦那さんに完璧を求めない、よその旦那さんとの比較をしないということも大切です。
そして、旦那さんは、いつも世話をするために赤ちゃんとべったりになりがちな奥さんが、1人になれる時間を作ってあげましょう。